娘とその孫のために生き生きと若々しく元気でいたい! 諦めない!!

「左足がくの字になったまま地面がけれなく歩けなくなってししまった」といらしたピアニストのK.Aさま。年齢は70前のようでしたが、とてもお美しいお方でした。整形外科に通われて辛いリハビリをくりかえしていると顔を曇らせていました。
私の施術を受けるまでに、外科を何件か回われたそうです。 大
きな病院の先生が言うことは聞いていれば治るはず!そう 信じ
て疑わなかったそうです。
リハビリでは、歩き方を正されても言われた通りに足が運ばない。「もうダメなのかな?年には勝てないかな?」何度も頭を
よぎったそうです。
いらしてすぐにクライアント様にお声かけしたことは、
「良く当院を探してくださいました。
さぞかしお辛い日々を過ごされていたでしょう。
でも、もう大丈夫ですから。ご安心ください。
リハビリでの辛い運動は、しなくていいです。
できるように体を正していきますね。
できない体で出来ないことを頑張ることは、もうしなくていいのですよ。
出来るようにゆがみを正せば、頑張らずともできるようになりますから。」
お話を伺うと、リハビリ中は、出来ない動作があるのに、それすら理解してもらえない。
そんなリハビリ連続だったようでした。スクワットなどの筋トレもなさったようでした。
こわばった筋肉は筋力を失ってしまっていますから筋トレなど言語道断な状況です。
筋肉がこわばり歪んでしまいバランスを失ったままでは、通常は、意識せずに簡単にできていた動作でもできなくなることがあります。こわばった筋肉は、はじめは少ない箇所だったのだと思います。こわばった筋肉をかばう筋肉、そしてバランスを失ってしまったために、それを補強するように歪んだままでバランスをとりながら連鎖し、こわばってしまった筋肉。
根本原因に向かって起こった不具合を遡り全体のバランスをみてほぐしていきます。
歩行時の筋活動は筋電ポリグラフで次のようにデータ分析されています。
これらを参考にして、クライアント様の痛みのある場所へハンドリーディングしていきます。
◆下肢の筋活動◆
(1)股関節内外転筋
・立脚相の初期と終期に活動します。
・骨盤の安定性に役立ちます。
(2)大腿四頭筋・ハムストリング
・遊脚相から立脚相への変換期に働きます。
・下肢の振り子運動を減速して、運動の向きを変えます。
・同時に働くと、股関節や膝関節の安定性を保持します。
(3)前脛骨筋
・踵接地のために、足関節を背屈位に固定しています。
(4)下腿三頭筋、腓腹筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、長母指屈筋、腓骨筋群
・立脚相終期に活動します。
・足関節の背屈を防止し、遊脚相への移行(蹴り出し、加速)に働きます。
(5)脊柱起立筋
・体幹の前屈を防止します。
お医者様は親身に相談にも載ってくれず、リハビリの先生はお決まりの説明をしてできない運動を繰り返しさせられる。どうしてこんな仕打ちを受けるのかと腹立たしささえ覚えたそうです。解剖学を学んだお医者様であれば想像できる範囲であると信じたいところです。
私が拝見したところクライアントのA.K.さまは、歩くことをサボっているわけでもなく、ふざけているわけではないのです。 セッションに入り、体の歪みを引き起こしている原因を丁寧に探し根本原因にアプローチしていくとお帰りになる頃のお着替えの際には、
「わぁ。ストッキングが履きづらかったのが履スムーズに履けるようになったわ!!!」
とまるで少女のように嬉しがっておられました。 足が曲がらないわけですから靴下を履くのも容易ではなかったようです。その後も、飛行機で2回ほどお通いいただいて通常歩行ができるようになり今はお元気になられ時折メンテナンスに通われています。
その時のセッション中に伺ったご本人の治療の目的が私の心に焼きついて離れません。
「私は母が早くに死んでしまったから。子供を産んでから手を差し伸べてもらえなかったの。
娘にはね。孫をだっこできるお婆ちゃんでいたいから。諦めるわけにはいかないのよ。」と
ポツリとお話されていました・・・。

前向きな目的があるクライアント様の多くはカラダの不調を正す時間は多くはかからない傾向があります。
鹿児島から飛行機で3回通うのも大変だったでしょう。よく頑張ってこられたと頭が下がる思いでした。
近頃は、お孫さんと手をつないでお散歩できているとのこと。本当に良かったです。
存分に人生を楽しみ笑顔を応援するセラピスト、これが私の今の生き甲斐なのです。