
消化システムの目的は、栄養を体の
各細胞に行き渡らせること。
それがうまくいかないと、私たちは疲れてだるく感じたり、頭でちゃんと考えられなかったり、何らかの不調が起こったりします。それでも放っておくと、これらの不調は本格的な病気へと発展していきます。
近年ではこの消化器官系やそれにまつわる疾患が蔓延しています。それらは大体、私
たちが普段食べる食品や暮らし方に起因しています。
ここで、消化システムの機能に関しての研究で、最近分かってきた事実について列挙して
みたいと思います。
1 腸内の面積を全部平らに広げると、それはテニスコート一枚分の広さにもなる。
2 免疫システムの約70%は腸にある。
3 人体の全細胞の90%は腸内細菌叢(約100兆個)で、私たち自身なのは10%のみ。
(それをこれまで無視し、10%の殻のことだけを考えてきたため、今日の悪い
健康ステータスの兆候を引き起こしている)
微生物はコミュニティとしてヒトと共生して暮らしており、このコミュニティの
健全具合が本人の健康・寿命を決める。このコミュニティが腸内細菌叢(腸内
フローラ、マイクロバイオームとも言う)と呼ばれるものである。
4 腸内細菌叢のDNAの数は、ヒトのDNAの100〜150倍にもなる。
このDNAたちはお互いに連絡を取り合っている。
5 人体内の微生物総量は0.9〜2.7キロだという事まで推測されており、
これは平均的な成人の脳の重さの2倍にもなる。
6 消化器官は「第二の脳」と呼ばれる。というのも、”べガス神経”という脳と腸を
繋いでいる神経が断ち切られても、消化器官は問題なく機能するからである。
この体系は腸神経系(ENS)と呼ばれる。
7 腸は脳よりもずっと多い神経伝達物質を生産している。実際、セロトニン
※の80〜90%が腸で作られており、脳の神経伝達物質はどれもすべて、
腸で見つかっている。(※セロトニン: ノルアドレナリンやドーパミンの暴走を
抑え、心のバランスを整える作用のある伝達物質)
8 消化器系の機能不全(リーキーガット)によって起こる健康疾患は、非常に多岐にわ
たる。(偏頭痛、うつ、リウマチ、集中力の欠如、自己免疫疾患、自閉症、線維筋痛,
慢性疲労、多発性硬化症など)実際、慢性疾患の約90%がリーキーガットと何らか
の関係があるだろうと言われる。
9 あなたが食べた食品は、この腸内細菌叢や自分の遺伝子と対話する。
10 ヒトは無菌状態で生まれ、大体3歳までに自分の一生の細菌叢を確立する。
赤ちゃんは、お母さんの産道を通るときにお母さんから最初の細菌をもらう。
なので、帝王切開で生まれた子供はまた全然違った細菌叢を持ち、彼らは
アレルギーや肥満のリスクが高いとも言われている。
11 研究によると、母乳を経由して母親の「善玉」腸内細菌が新生児の消化管に移住する。
腸内細菌は子供の免疫系の発達に関与しているため、子供の免疫系が健全に発達する
うえで、母親の腸内環境が健全であることが大切である。母親の腸内細菌がどのような
ルートで腸から母乳にたどり着くのかは不明だが、母乳に含まれている細菌が母親の
腸内に存在していた細菌であることは既に分かっている。
腸についての研究はまだ若く、始まったばかりですので、これからまた新たな事実が
分かってくることでしょう。
人間の体って・・宇宙並みに深遠で驚異的でよく働くのです!
筋肉がロックして代謝がとどこってしまうと、こういった機能は当然のことながら
停滞してしまうことがあるのです。どうもだるい、すっきりしない、という方は
当院のHPをご覧くださいね。
